事務をつかさどる

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法改正に対応するための提案を紹介します。


4  おわりに

  研修体系(案)を基に具体的に研修方法を述べましたが,一つだけ懸念事項があります。それは,研修に対して受け身になってはいけない,ということです。残念ながら鹿児島県の 事務職員に対する研修制度については,整っているとはとても言えない状況です。だからといって,自己研鑽ができないわけではありません。まずは自分で考え,調べて,試すことを しましょう。時には失敗することも必要なことです。トライ&エラーを繰り返すことで,子供たちにとってよりよい結果を導き出せるはずです。ただ,何度も述べているように,学校 事務は多岐にわたるため,独学のみではいつか壁にぶつかります。そんなときにこそ,組織の強みを活かしてほしいと思います。例えば鹿事研は,年1回2日日程で研究大会を開催し, その時代の流れに応じた研修を提供しています。また,今年度の夏季休業中には初めて若年者講座も開催されました。このように,他地区の様子や,最新の情報を知ること,独学では 分からないことを教えてもらえるのは組織の強みです。また,悩みや課題を共有し,同世代や先輩・後輩と交流できることも組織の強みです。単独配置が多いにも関わらず,広い視野 と多角的な考えを求められる私たちにとって,この「交流」できることが組織の最も大きな魅力ではないでしょうか。
  また,「事務をつかさどる」への法改正は,事務職員にすべての事務処理を求めているわけではありません。愚直に庶務的な事務処理をこなすだけでは「事務に従事する」と変わら ず,AIやアウトソーシングにとって代わることが想定されます。事務を事務職員が 1 人で担当するのではなく,校務分掌による分担や共同実施などとの関わりと協働によって学校 運営を円滑に進めることを求めているのです。事務職員がより主体的・積極的に業務改善をはじめとする校務運営に参画することで,学校運営がより円滑に進むと考えます。
  20 年後の学校事務の現場は,今と大きく変わっていることは容易に想像できます。
Society5.0 時代に突入し,AIが今以上に活躍していることでしょう。では,学校事務の中で,AIに処理できない部分はどこにあるでしょうか。それがまさに「事務職員の学校に おける専門性」と考えることができます。この専門性は必ず学校や地域,そして子供たちのためになります。将来を担う子供たちにより良い教育を提供できるよう,私たちに何ができ るのか,何をすべきなのか,個の力と組織の力を併せて,考えていきましょう。

  •   資料3
     鹿児島県学校事務職員の標準的職務(案)
  •   資料4
     研修対応一覧表 (案)
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