ア 事務職員自身の意識改革
〜トータルプロデューサーとなるための意識改革〜(ア) 定型業務から調整・判断業務へ
トータルプロデューサーとしての事務職員の業務は,事務処理などの定型業務から調整業務,判断業務へ変化すると考えます。いつまでも定型的な事務に固執していると,事務職員そのものが外部委託の対象となる可能性があります。ここで課題となるのが調整,判断業務を担うためには定型業務を減らすことが前提となることです。共同実施による事務 の一括処理やシステム化,ICTを活用した事務処理の効率化,事務処理マニュアルの活用などで時間を生み出すことをグランドデザインの中でも取り組んでいきます。また,これからの事務職員は事務処理だけではなく,学校教育に関係する人や組織,団体をつないで,つむいで,協働で創り上げていく,子どもの学びのコーディネーター的な役目と,学校事務の統括者の役割を併せ持つことも求められます。学校における判断の最終意思決定者は学校長です。学校教育目標を実現するために学校運営をしていく中で,様々な判断が求められる場面が出てきます。事務職員はその判断に必要な情報を集め,取捨選択し,要素を抜き出し,提供することにより学校長を補佐する経営スタッフとして重要な役割を果たすべきと考えます。
●学校における判断業務について
(イ) 個から組織へ
学校にひとりという今までの業務形態では,勤務校だけしか関わることができません。 そのため,学校によって事務職員の経験や力量が違い,学校事務の質に違いが出てくることには考慮が必要です。本来の目的である学校の教育力向上は,地域の学校全ての教育力向上のことでもあります。そのためには共同実施という組織力を活用していくことが,唯一の対応策だと考えます。共同実施という事務職員の組織力で学校事務機能を高いレベルに維持させることで,どの学校でも高いレベルの学校事務が得られるようにしなければなりません。グランドデザインの中では,現在県内で進みつつある共同実施において,勤務する学校 だけでなく共同実施内の学校及び地域社会への関わりなども含め,組織化により学校事務 の機能性と可能性を高めていくことをめざしたいと考えています。